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作者を当てる「入札鑑定」

3月 21, 2018 • admin

本格的な武家社会となった鎌倉時代には、武器としての日本刀の需要が高まると同時に、その芸術的価値が浸透し、日本刀を鑑賞する習慣が発達した。室町時代に は、刀剣の鑑定を職業とする者が現れたり、入札鑑定が行われたりするようになった。 「入札鑑定」とは、作者のサインともいえる「銘」を隠してその刀剣の作者を当てるゲームのようなもので、武将が集まったときに、余興として楽しまれていた。 「全体の姿を見て時代の見当をつける」「鉄の色や質、地肌を見て製作地方、国を考える」「刃文と帽子によって流派、系統、個人名を考える」といったポイントを総合し、作者を推察するのだが、この入札鑑定は、今日でも、日本刀の勉強会の一環と して行われている。

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妖刀の生みの親・村正

1月 9, 2018 • admin

伊勢(いせ)国(三重県)で活躍した刀匠。「村正(むらまさ)」を名乗ったのは一人ではなく、室町時代から江戸時代初期までの間に、三代は続いていたとみられる。徳川家を崇る妖万村正の逸話は有名だ。 村正は、優れた斬れ味のみを追求し、実用的な作刀を得意とした。この村正と、 前項の正宗とにまつわるエピソードを紹介しよう。 正宗は自分の鍛えた刀と村正の鍛えた日本刀を上流に刃を向けて小川に突き立てた。そこに、上流から流れてくる一枚の木の葉。木の葉は、正宗の刀を避けるように流れ、村正の刀に吸い寄せられていく。そして、村正の刀の刃に触れ、葉は真っ二つに斬り裂かれた。正宗は、「せせらぎの流れに漂う葉を、触れただけで斬り裂いてしまう斬れ味は見事だが、それだけでは真の名刀とはいえない。刀はただ斬れればよいのではない。悪を切らずに遠ざけるのが名刀というものなのだ。刀を鍛えることは魂を吹き込むこと。斬れ味のみにこだわると、それは邪気となって刀に宿る。そして、その刀は斬らなくてもいいものまで斬り裂き、血を求める妖刀になってしまうのだ」 と、村正を諭したが、村正は、「斬れることこそ刀の真髄」と言い残し、正宗のもとを去った。 二人の名匠の考えがうかがえるエピソードだが、この逸話には疑いがある。

そもそも二人の活躍した時代は重なっておらず、この逸話は後世に創作されたものらしい。しかし、村正と正宗、二人の刀匠の特徴をよく表した逸話である。

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「刀身の名称」

12月 18, 2017 • admin

日本刀には各部分に様々な名前がついている。鑑賞する上で欠かせない基礎知識となる。主な名称と部位を解説していく。

 ・鋒(きっさき)

 ・帽子(ぼうし)

 ・小鎬(こしのぎ) 鋒の部分に走る鎬

 ・横手

 ・三つ角(みつかど) 鎬、小鎬、横手の3つの線が交わる部分

 ・物打(ものうち) 物を切るための力点となる部分

 ・地(じ) 鎬と刃の間で焼き入れされていない部分

 ・刃文(はもん) 焼き入れで刃と地の境に出来る模様

 ・刃先(はさき)

 ・刃縁(はぶち)

 ・身幅(みはば) 棟から刃先までの幅

 ・刃区(はまち)

 ・鑢目(やすりめ) 刀身が柄から抜けない様にするためにつけられる。

 ・目釘穴(めくぎあな)刀身を柄に固定するために乾燥した竹を差すための穴

 ・刃長(じんちょう) 鋒から棟区までの長さ

 ・鎬地(しのぎじ) 鎬と棟の間の部分

 ・鎬(しのぎ) 刀身の中央部分を通っている稜線

 ・棟(むね) 刀の背となる部分

 ・棟区(むねまち)

 ・茎(なかご) 柄の中に納められる部分

 ・反り(そり) 刀の曲線

 ・茎尻(なかごじり)

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「日本刀のつくり方」

11月 18, 2017 • admin

世界一の切れ味を誇るともいわれる日本刀。その製造には代々受け継がれてきた、刀匠太刀の技術がある。日本刀の製造工程について解説する。

 ●工程その一 水へし・小割り・・・原材料となる砂鉄で作った玉鋼(たまがね)を熱し、厚さ5mm程度に打ち延ばす。これを2~2.5cm四方に小さく割っていき、皮鉄(かわがね)用の硬い鋼と心鉄(しんがね)用の柔らかい鋼とに分ける。

 ●工程その二 積沸し・・・より分けた皮鉄用と心鉄用の玉鋼を、それぞれ別のテコ台に積み重ね炉で約1300度で熱する。素材が沸かされ(熱せられ)一つの塊となる。

 ●工程その三 鍛錬・皮鉄造り・・・素材を平たく打ち延ばし、切れ目を入れふたつ折りにして重ね、再び熱し打ち直す。この鍛錬という作業を15回ほど繰り返し、心鉄をくるむ強靱な皮鉄がつくられる。

 ●工程その四 心鉄造り・組み合わせ・・・刀の芯となる柔らかい心鉄を平らに打ち整え、U字形にした皮鉄でくるむ。これを「組み合わせ」という。柔軟性と強靱さを兼ね備えるため、この工程は欠かせないのだ。

 ●工程その五 素延べ・火造り・・・組み合わせを終えた刀身を再び熱し、打ち延ばして行くことを素延べという。完成に近い長さになったところで鋒を打ちだした後、鉋や鑢、砥石などを使って表面を仕上げることを火造りという。

 ●工程その六 土置き・焼き入れ・・・粘土や炭、砥石の粉などを混ぜた焼刃土を刃の部分に塗っていく。これを土置きといい、刀身を約800度で熱した後、水で急冷する作業を焼き入れという。この工程で刃文の形や文様がつくられる。

 ●工程その七 仕上げ・銘切り・・・焼き入れを終え、反りや曲がりなどを整え荒研ぎを行い、細かな傷や割れがないかを確認する。茎の部分に目釘孔を空け、最後に作者の銘を茎に切って日本刀が完成する。

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