現代、舞台・映画 ・テレビドラマなどで、戦国時代を背景とした作品が多く出回っています。その中で俳優が徒手による模擬格闘や武器を用いての模擬戦闘を演技することを「殺陣」といいます。この語源は江戸時代の歌舞伎における戦いのスタイルを「たて」と呼んだところから来ているそうです。歌舞伎が起源だったため、殺障は長いこと歌舞伎特有の様式美を重視したスタイルが主流でした。わかりやすく言い換えると、動きにリアリティが欠けていたということです。このスタイルを大胆に改変し、殺陣という世界に旋風を巻き起こしたのが、新国劇創設者の沢田正二郎でした。これにより殺陣は戦国時代当時のスピード感」や」リアリティさを追求し始めたのです。模擬刀を使っての斬り合い、俗にいうチャンバラの隆盛もこの殺陣の改変があったればこそのものであり、これを機に模擬刀を使用した作品が増え、多くのチャンバラスター生まれた。 昭和10(1935)年に映画化された作品では、昭和の剣聖というわれた俳優が殺陣を担当したこともあり、主人公やその他出演者たちの迫真の剣さばきが大きな話題となりました。時代劇では日本刀による殺陣のシーンは不可欠なものであり、芝居としても成り立つ真に迫ったリアルさを追求しており、殺陣の世界は日々進化をし続けています。また、相撲と日本刀にも切っても切れない縁があります。相撲の歴史も刀と同じく非常に古く、当初から相撲にも刀が使用されていたといいます。この相撲ではふた振りの刀が使われています。ひとつは行司が腰に差している短刀であり、もうひとつは横綱の土俵入りの際に太刀持ちが持つ太刀です。行司の腰の短刀は勝敗の判定に誤った際の自害用と伝えられています。実際に自害する云々というわけではなく、それだけの覚悟を持って判定に当たる意味という意味が込められていると考えられます。横綱の土俵入りで太刀持ちがつくのは、かつて力士が名字帯刀を許されていたことと関係があるといわれています。ただ、刀は神事で浄めにも使われるものであるため、相撲は神事とも深く結びついているということから、土俵を浄める意味も含まれているのかもしれません。
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